今回紹介するメニューは、海上自衛隊鹿屋(かのや)航空基地の「豚骨のみそ煮込み」。鹿児島県の代表的な郷土料理の1つです。その昔、薩摩武士たちが猟場や戦場で作った野外料理が始まりで、西郷隆盛の好物だったともいわれています。現在も各家庭で作られており、学校給食でも提供されているそうです。
当基地内で勤務する隊員の約半数が県内出身のため、多くの隊員にとってなじみのある味。本来は骨付き豚肉を焼き、芋焼酎で炒りつけ、熱湯をかけて脂を抜きますが、隊員食堂では大量調理のため、ゆでることで脂抜きをしています。
みそはやはり、九州で作られている麦みそがお勧め。麦特有の香ばしい風味と甘口なのが特徴です。また、砂糖の代わりに黒糖やザラメを使うとより一層コクが出て味わい深くなるそうです。豚軟骨で作る場合は、時間をかけて煮るため、骨もとろとろになって食べられるのだとか。濃いめの味なので、隊員食堂では酢の物やあっさりとしたあえ物、すまし汁などとともに提供されています。
材料(3~4人分)
骨付き豚肉(スペアリブ、軟骨など):400g
ショウガ(薄切り):1かけ
コンニャク(一口大に切り、熱湯に通してアク抜きする):1枚(200g)
ダイコン(厚めのイチョウ切りにし、下ゆでする):中1/2本(500g)
ニンジン(乱切りにし、下ゆでする):中1本(200g)
麦みそ:80g
砂糖:50g
酒:大さじ1 1/2
しょうゆ:小さじ1 1/2
インゲン(塩ゆでして3 、4等分に切る):2本
作り方
1:肉は1つが50gくらいの大きさに切る(家庭で骨ごと切るのは難しいため、購入する際に切ってもらう。切ってあるものはそのままの大きさでよい)。
2:鍋にたっぷりの湯を沸かし、(1)を入れ、10分くらいゆでてザルに上げ、脂を抜く。
3:鍋に5カップの水(分量外)、(2)とショウガを入れて強火で煮る。沸騰したら、麦みそと砂糖をそれぞれ半量加え、アクを取りながら弱火で煮込む。肉がやわらかくなったら、コンニャク、ダイコン、ニンジンを入れ、残りのみそと砂糖、酒、しょうゆを加えて弱火で1時間ほど煮込む。途中こまめにアクを取る。
4:器に盛り、インゲンを飾る。
<調理/樋口秀子 文/富田純子 料理撮影/林絋輝(扶桑社)>
(MAMOR2023年4月号)
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