• 「働き方改革」が進められ、ワーク・ライフ・バランスを意識することで、仕事にやりがいや充実感などの幸福を強く求めるような社会になってきた。

     よりやりがいのある仕事を求めて転職するのが当たり前の時代になったといえよう。

     それならば、Z世代の転職先には自衛隊がピッタリなのでは?と考えたマモルは、他業種から転職して入隊した自衛官に話を聞いた。

    外久保3等海佐:飲食チェーン店長候補が護衛艦乗員に!

    入隊前

    入隊前の月収:約18万円

    生年:1984年
    学歴:一般大学卒業 
    前職:飲食店店舗運営職(2007年入社~08年退社)
    家族:妻、長男、長女、次男 
    趣味:ジョギング、掃除・片付け、資格取得、スポーツ観戦、読書、テレビゲーム

    入隊後

    画像: 写真提供/防衛省(写真は当時のもの)

    写真提供/防衛省(写真は当時のもの)

    月収:約60万円

    海上自衛隊入隊:2010年
    所属部隊(現在):統合幕僚監部防衛計画部計画課統合防衛戦略室 
    任務:陸・海・空各自衛隊の統合運用態勢の強化に関わる業務 
    入隊後取得した資格:第1級小型船舶操縦士、ITパスポート、3級海技士(航海)、第1級海上無線通信士、秘書検定準1級、メンタルヘルス・マネジメント検定(Ⅲ種・Ⅱ種)、乙種危険物取扱者(1~6級)防災士
    任務の相棒:上司からもらった腕時計をデスクに置いて当時の指導や初心を忘れないようにしています

    自衛隊なら、純粋に人のために働ける

    「大学を卒業した後は、飲食チェーンに勤め、店長候補として働いていたのですが、この仕事が本当に自分のやりたいことなのかと悩み、1年ほどで退社しました」と話す外久保3佐。

    「とくにやりたいことが見つからず、派遣の仕事などで食いつないでいましたが、奨学金の返済もあり、正直かなり苦しかったですね。そんな私の状況を見かねた知り合いの自衛官が『悩んでいるなら自衛隊に入ってみたら?』と誘ってくれました」

    「どうせならこれまでと全然違う世界に挑戦してみようと思い、就職説明会の自衛隊ブースで話を聞いてみたら、広報官の方から、自衛隊の幹部となるコース、一般幹部候補生の受験を勧められたんです」

     もともと岩手県の海の近くで育ち、海に親しみがあったことから、海上自衛隊の一般幹部候補生を受験して合格。護衛艦『おおよど』をはじめ、さまざまな船で航海長砲雷長などとして、現場での経験を積んだ後、現在は市ケ谷にある統合幕僚監部防衛計画部の統合防衛戦略室に勤務。

    人々の暮らしを守る仕事にやりがいを感じる

    画像: 2012年および2016年にはソマリア沖・アデン湾における海賊対処任務に参加したという外久保3佐。現在は艦艇の現場から離れ、統合幕僚監部でデスクワークを行っている

    2012年および2016年にはソマリア沖・アデン湾における海賊対処任務に参加したという外久保3佐。現在は艦艇の現場から離れ、統合幕僚監部でデスクワークを行っている

    「陸・海・空各自衛隊を統合し、一元的運用をする際の実効性を強化するための業務を行っています。日本周辺の厳しい安全保障環境を踏まえ、3自衛隊が統合して対応する重要性が高まるなか、日本の将来に関わる業務に携われることに、非常にやりがいを感じています」

     自衛隊での任務の魅力は、「採算性を重視する民間企業と違い、利益を度外視して純粋に人のために働けること」にあると外久保3佐は言う。

    「人々の暮らしを守る国防という仕事は、この国が存在し続けるために必須であり、自衛隊以外にそれを代替する組織は存在しません。活動のフィールドは国内にとどまらず、世界を股にかけたスケールの大きい仕事に関われるのが誇りです」

     外久保3佐の今後の目標を聞いてみた。

    「再び現場にもどり、艦長になって任務を完遂することです。そして全乗員が気持ちよく勤務できる船をつくりあげることが目標です」

    (MAMOR2024年4月号)

    <文/魚本拓 撮影/Yuh 写真提供/防衛省>

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    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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