雑誌『MAMOR』は2023年10月号で200号を迎えました。
ごく普通の若者たちが、大切な人や国の平和を守るため、日々、奮闘している姿を知ってほしいと考え、創刊当初から本誌では「自衛官」個人に焦点を当てた連載を多く掲載してきた。
そんな『MAMOR』は、防衛省が民間の出版社に編集協力して制作されているため、編集作業に、陸・海・空各幹部自衛官が参加している。200号まで積み重ねられたのは、初代担当官がしっかりとした基盤を築いたおかげ。彼らは今、どこでなにを?
『MAMOR』での業務が貴重な機会だったと実感(栁裕樹陸将補)
「『MAMOR』での体験はそれまでにはなかった人とのつながりができ、自身の大切な資産になっていると思います。
マモルを通じて陸・海・空各自衛隊や内部部局(注1)などに勤務する方々、さらには取材などを通じて民間のさまざまな方と知り合うことができました。そのなかには、今でもお付き合いさせていただいている方がたくさんいます。とくに民間の方々からは、省や隊の内部にいるだけでは分からない、多様な見方や考え方を学ぶことができました。
こうしたつながりが、その後の自衛隊勤務に役立っていて、私の人生にとって非常に貴重な機会だったと実感しています」
『MAMOR』の魅力は現場で働く「人」への焦点(和田和起1等海佐)
「私は、定期刊行前に急きょ、単発的に発行することになったゼロ号の特集を担当しました。限られた時間の中、編集担当の方に防衛省や自衛隊のことを理解してもらうことからはじめました。
それから、記事の方向性やテーマについて夜を徹して議論し、編集作業を進め、それでなんとか期日どおりに発刊できたことを、つい先日のことのように覚えています。
『MAMOR』は自衛隊の現場で働く『人』に焦点を当てた記事が多く、防衛政策や装備品に関心が薄い人でも手に取りやすいのが魅力。今後も防衛省の編集協力だからこそ、という企画や記事を期待しています」
わが子『MAMOR』よ。さらに大きくはばたけ!(阿部智康1等空佐)
「当時は手探りの状態で雑誌づくりに参加していました。『MAMOR』の魅力は、この雑誌に関わる皆が『どうしたら自衛隊のことを多くの国民の皆さまに知ってもらえるか』という姿勢で取り組む『真面目さ』にあると思います。その志のある編集者やカメラマン、ライターなど、多くの方々の尽力により、200号という大きな節目を迎えられたことは、とても頼もしく、うれしく思います。
私がかつてその編集に携わっていたという話をすると、ほとんどの自衛隊員と会話がはずみます。最後に一言いいですか? わが子『MAMOR』よ、300回といわず、400回へと大きくはばたけ!」
(注1)自衛隊を適切に整備・運用するため、行政面から防衛大臣の判断を補佐するための機関
(MAMOR2023年10月号)
<文/魚本拓 写真提供/防衛省>