有事に備え、陸・海・空各自衛官は24時間365日、基地・駐屯地内に居住する義務が法律で定められている(配偶者がいる場合など、例外もある)。
自衛官となるために必要な教育訓練を受ける「自衛官候補生」たちも自衛隊の敷地内で生活し厳しい教育訓練を受けているが、ここでは彼らが訓練終了後どのように過ごしているのか、そして休日の過ごし方について紹介しよう。
メシ、風呂、掃除…“テッパチ”たちの日常
候補生は教育訓練が行われる駐屯地の中にある隊舎で、1部屋につき6~10人で共同生活をしている。食事は隊員食堂で3食提供され、入浴は大浴場を決められた時間に利用する。
消灯は22時で、起床は6時だが体を休めることも任務なので、起床時間前に目が覚めてもベッドの中で休んでいなくてはならないのだ。
衣食住が提供される駐屯地の中で、規則正しい生活を送る候補生たち
駐屯地での食事はメニューが決まっている。ご飯のおかわりはできないが好きなだけ盛り付けは可能なので大盛りにする候補生も。
多くの隊員が利用するため、入浴時間は短い。効率よく体を洗って、1日の汚れを落とす。
ホテルのようにシーツの角をしっかりと折るベッドメイキングも教官から厳しく指導される。それゆえチェックも厳しい。
休日はどうやって過ごしている?
候補生は原則、土日祝日が休日だ。入隊直後は自衛隊生活に慣れるため外出を制限されることもある。ただし、一般的には原則として8時から夕方の点呼まで外出できる。
近年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため外出の行動範囲は、例えば駐屯地周辺のみなど制限はあるが、自由な時間を過ごすことができる。
課業後はどうやって過ごしている?
課業終了後、食事や入浴が終わる19時ころから消灯の22時までが自由時間だ。この時間は課業中は使用禁止のスマートフォンが使えるため、ゲームやSNSなどをする者も。
とはいえ翌日の訓練の準備や、座学の予習復習、共有スペースと居室の清掃や被服のアイロン掛け、迷彩服のほつれ直しや取れたボタン付けの裁縫など多忙なのだ。
予習復習や準備etc…やることは意外と多い
自衛官には「品位を保つ」義務があり、制服や迷彩服のアイロン掛けを自ら行う。教官からやり方を学ぶ。
訓練で使用する半長靴(くるぶしと膝の中間あたりまでの長さのブーツ)をピカピカになるまで磨く。物品愛護の精神も養う。
駐屯地内には理容室も。自由時間や休日を使い、伸びた髪をすっきりカットする。
自衛隊にも部活動がある
候補生の教育が修了し、全国各地の駐屯地に配属されると、駐屯地によってはクラブ活動があるところも。中には地域リーグなど民間チームと交流戦を行っていることもある。
候補生に聞いた!恋人はいる?どんな休日を過ごしてる?
Q. 恋人はいる?
いる:28%
いない:68%
結婚している:4%
Q. どんな休日を過ごしてる?
友人と食事:23%
買い物:21%
体を動かす(スポーツ、トレーニング):10%
映画:9%
カラオケ:9%
ゆっくり過ごす:9%
友達と遊ぶ:7%
ネットカフェに行く:6%
銭湯、サウナに行く:3%
公園を散歩:2%
読書:1%
(注)写真はイメージとして2020、21、22年各4月に入隊した隊員の教育訓練の写真を使用
(MAMOR2022年10月号)
<文/臼井総理 撮影/村上淳>