明日の国防を語るときに、欠かせないのは隊員家族の協力。任務は最前線が多く、長期間、家を空けることもある海自の特異な任務の完遂は家族の支えがあって初めて成り立つもの。日本の平和を未来につないでいる家族、中でも「妻」の“任務”の一端をのぞいてみた。
艦艇乗りの妻に聞く悲喜こもごもの家庭話
隊員家族の日常生活には、ささいなものから大きなものまで、さまざまな苦労が付いてくる。反面、国防という誇り高き任務に就く自衛官を夫とする喜びを感じる家族も多いようだ。そこで、海上自衛官でも、特に長期航海で長く家族のもとを離れることがある潜水艦・護衛艦乗りの妻たちに、その両方について話を伺った。
隊員と共に国を守る海自家族あるある図鑑 「ノロケ編」
一緒の時間が貴重
夫が家にいない時間が多い分、一緒にいる時間を大事にできます。帰ってくるたびに「海の男度」が増しているのもいい!(結婚歴2年)
多くの人と交流できる
夫のさまざまな赴任地に同行して、たくさんの方に出会え、つながりを持てたことは良かったです(結婚歴14年)
自分1人の時間を持てる
出航中は、自分1人の時間を持てます。気兼ねなく友人と遊んだり、趣味に没頭できるのはメリットです(結婚歴3年)
夫はロープの達人!
夫が仕事上、ロープの扱いに長けているので、家族でキャンプに出掛けた際にテントを張ったり、枝をひとまとめにくくったり、野菜を干す際に縛ってつるしたりと、思わぬところで活躍してくれます(結婚歴7年)
夫の土産話が待ち遠しい
夫がいろんな寄港地の話をしてくれること、お土産を買ってきてくれることが楽しみ(結婚歴20年)
会えなくてもつながっている
出航中、連絡が取れない中でも、誕生日には毎年お花を贈ってくれる夫。出港前に選んでくれていたのかと思うとうれしくて、会えなくても気持ちはちゃんとつながっていると感じます(結婚歴3年)
稼ぎがいい!
夫の給料がそこそこ良く、安定しているのは何よりありがたいです(結婚歴10年)
海自家族の意外な利点
本職より詳しい夫
家族で軍港クルーズイベントに参加したのですが、ガイドさんの解説以上に、夫の説明のほうが詳しかったです(笑)(結婚歴3年)
先の楽しみを妄想
夫が出航から帰ってきたら、どこに行こう?何を食べよう?などと考えるのは楽しいです(結婚歴3年)
一般家庭より食費が安い!?
夫が出航で不在がちなので、食費が浮きます(笑)(結婚歴ナイショ)
自衛隊の番組を見て再認識
自衛隊関連のテレビ番組を見ると、出航中の夫のことを思い出すし、改めて自衛官の夫はすごいんだぞ! と思えます(結婚歴3年)
国を守る人がいることを実感
夫と出会わなければ、自衛隊のことを何も知らないまま人生を過ごしていたと思います。自衛官の夫を見て、「国を守るために働いている人たちがいるんだ」ということを身をもって知ることができ、良かったです(結婚歴3年)
帰港のたびに絆が深まる
夫が出航から帰ってくるたびに、家族の絆が一段深まる気がしています。離れている期間を取り戻すかのように1日を大切に過ごすようになるからです(結婚歴5年)
夫のこんなところに尊敬
休日はわが家の料理長
日々、激務だろうに、休日には疲れも見せず、家で食事を作ってくれます(結婚歴13年)
自分の休みより家族優先
夫のワーク・ライフ・バランスの考え方を尊敬します。産休、育休中の私と小さな娘が気晴らしできるよう、当直明けでも率先して娘を散歩に連れ出してくれ、感謝の気持ちしかありません(結婚歴3年)
仕事に誇りを持つ夫が誇り
夫が仕事に誇りを持って、日々前向きに仕事をする姿は素晴らしいなと思い、誇りに感じています。これからも、妻としてできるかぎりのサポートと応援をしていきたいです(結婚歴3年)
愚痴を聞いたことがない
家族のため、自分の誇りのために働いていて、仕事の愚痴をいっさい言わない夫は、本当にすごいと思います(結婚歴16年)
仕事と勉強の両立に脱帽
艦艇での任務のほかにも、試験があったりして、時間のない中、勉強している姿を見ると、よく頑張っているなぁ~と尊敬します(結婚歴2年)
出迎え行事にジーン
夫が海外から帰港したときに、自衛隊主催の「出迎え行事」に家族として参加したのですが、とても温かく迎えられていて感動しました(結婚歴19年)
【たいらさおり】
海上自衛隊をこよなく愛する漫画家。著書に、海外自衛官の夫との日常生活を描いた
『海自オタがうっかり「中の人」と結婚した件。』(秀和システム)シリーズがあり、2021年12月に第5弾「海自オタ魂は永遠に!!」編を出版し、完結した
(MAMOR2022年4月号)
<マンガ/たいらさおり>