•  指揮官を補佐する「幕僚」。その幕僚教育を行う、陸上自衛隊教育訓練研究本部、海上自衛隊術科学校、航空自衛隊幹部学校の現場の空気を知るために、それぞれの教官と学生に、どのように指導しているか、また、どのような点に留意しているのか、コメントをもらった。

    陸上自衛隊教育訓練研究本部

    作戦全体をふかんして計画する、上の視座を持った幕僚を育成

     目黒駐屯地にある陸上自衛隊教育訓練研究本部は、2018年に組織改編され、将来の指揮官や高級幕僚を輩出するための育成を行っている。

    「学生には、紛争国出身の留学生もいますが、彼らの姿勢にすごみを感じます」と話す鵜川優一郎2等陸佐

    教官「指揮幕僚課程で学ぶ学生には、作戦の全体像をふかんする力や未来予測、洞察力が求められます。任務の達成だけでなく、その後に部隊やその周囲の状況がどうなるかを見据えて、計画を設計する必要があります」

    「社会が自衛隊をどう見ているかも、状況判断には必要な情報です」と話す重丸太一1等陸尉

    学生「教育中に留意しているのは、自己の意見を論理的に説明することと、自分と違う意見や視点を吸収することです。指揮官の関心事項を敏感に察知し、担当部門では120パーセントの補佐ができる幕僚を目指したい」

    海上自衛隊第1術科学校

    専門知識・技能を身に付けながら、「論理的思考力」を養う

     海上自衛隊の第1術科学校は、隊員に必要な知識と技能を習得させるための専門教育を行うかたわら、中級幹部としての教育も実施している。

    「世界の安全保障情勢を知るために、意識して新聞や書籍などを数多く読む」という前田龍志3等海佐

    教官「中堅幹部としての幕僚教育では、自己の職域に関する、より専門的な知識を習得させるとともに、客観的に状況を分析し、現実的な解決策を導き出す『論理的思考力』を身に付けることが重要になります」

    「さまざまな専門分野を学んだ同期がいるため、広い視野で意見交換できます。」という須々木宏介1等海尉

    学生「幹部中級課程の教育中は、第1術科学校長の『術科のプロであれ、周到な準備を行え、正しく伝えよ』という言葉から、自分に足らないもの、習得しなければならないものが何であるのか見えてきました」

    航空自衛隊幹部学校

    それまで培った知識・技能をもとに、自ら考えて気概を見せる

     航空自衛隊幹部学校は、幹部自衛官に対し、安全保障や防衛戦略などの幕僚に関する教育を行う教育機関。防衛省目黒地区(東京都)に所在している。

    谷口弘尚2等空佐は「不測の事態に備えるため、想像力や考える力を養成していくことが重要」と語る

    教官「幹部学生は自分の頭で考えることがとても大切です。幹部普通課程の学生はすでに各職種のスペシャリストですから、ここではそれをもとにどう考えるか、実際にどう使っていくのかを徹底的に学ばせます」

    「目標とする司令官は加藤隼戦闘隊の加藤建夫隊長や栗林忠道大将」と話す坂下広剛1等空尉

    学生「教育中に印象に残っている言葉は『指揮官先頭の気概』。指揮官が率先垂範することで、命令は元より、心で部下が動くようにしたい。そのため失敗を恐れず、臆せずに意見を述べることが重要だと思っています」

    <文/古里学 写真提供/防衛省>

    (MAMOR2022年3月号)

    勝つために幕僚がいる!

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