戦場、被災地での作戦行動中、または訓練中に取るために配給される食糧のことを「戦闘糧食」と呼ぶ。英語では、combat rationといい、日本では略してレーション、また、最近は“ミリメシ”と呼ばれることが多いようだ。
かつては缶詰が中心の“缶メシ”と呼ばれ、隊員の間ではあまり評判の良くなかった陸上自衛隊のミリメシだが、2022年4月に、約10年ぶりに大リニューアルされて、格段においしくなったと話題になっている。そこで、その魅力を一気に紹介しよう。
フォーリンデブはっしーが“ミリメシ”を実食
かつての主流だった缶詰は2017年ごろに姿を消し、レトルト食品が中心に。近年は水で発熱する特殊な容器も登場して温かい料理を食べられるようになった。
そして22年のリニューアルではメニューが大幅に増えた。和・洋・中のジャンルを中心に全21種も展開! 肝心の味はどうなのか、気になるところだ。
そこでグルメエンターテイナー・フォーリンデブはっしーに食べてもらい、3段階で評価してもらった。さて、ジャッジは桜マークいくつ?
【グルメエンターテイナー フォーリンデブ はっしー】
グルメエンターテイナー。お肉博士とお米ソムリエの資格を持ち、全国1万軒以上を食べ歩く。Instagramはフォロワー数27万人超え。2022年は100日連続でぎょうざを食べ歩く「100日餃子生活」を実施。農水省の国産食材アンバサダー、総務省の地域力創造アドバイザーなども務める。決めゼリフは、「デブリシャス!」
おかずに汁気があってご飯が進みました
普段から飲食店の食レポをしているはっしーさん。ミリメシの試食は「この味、どこかで食べたことがあるような……」と、これまでの経験を思い起こしながら何度も口に運び、味を確かめていたので、かなりの量を召し上がっていました。「試食のあとはぎょうざを食べに行く」とのこと(※取材時は「100日餃子生活」を実施中だった)。自衛隊広報官もビックリの大食漢でした。
豚スタミナ丼
「牛丼のつゆに豚ひき肉を入れ、ニンニクも効かせた味」と言えば伝わるでしょうか? 白飯はとても進むのですが、山菜飯の風味は消されてしまう気が。
●はっしーの評価:桜2つ
スタミナがっつりメシ
さんま味付け
甘めに煮たサンマをおかずに、ご飯を食べる「ザ・和食」ですね。口の中でほろっと崩れるサンマも美味。おかゆにはニンジン、タマネギ、鶏肉、雑穀が入り、「和風のシチュー」という印象。
●はっしーの評価:桜3つ
独特な味付けのおかゆも注目
完成度の高さにおどろき!
牛ひき肉のキーマカレー
キーマカレーはひき肉感がしっかりして、野菜の甘味とうま味、食欲をそそるスパイスの香りも感じます。五目飯はもっちりしておこわ感覚。キーマに合います。
●はっしーの評価:桜3つ
スパイスとひき肉の共演
かつお野菜煮
カツオの優しいうま味が染みわたり、体力を消耗しているときや食欲がないときでも栄養をとれそうです。豆ご飯は塩加減がちょうど僕の好み。おだやかな味付けに、ピリッと辛いワサビふりかけの味がいい変化で楽しめますが、やや地味感を感じるのは否めません。
●はっしーの評価:桜2つ
優しい和風味は体力消耗時にも
メキシカンタコライス
完成度が高い!タコソースが刺激感たっぷりで、ピリッとスパイシーです。肉のうま味やヒヨコ豆の固めの食感がとても生きています。ドライカレーよりも和のご飯が合います。
●はっしーの評価:桜3つ
タコソースがすばらしい!
<文/浅野陽子 写真(フォーリンデブはっしー)/村上淳 写真(料理)/林紘輝(扶桑社)>
(MAMOR2022年11月号)